床下の泥出し作業続く 関・復興ボランティア公募再開
2018/8/29 紙面から
7月の西日本豪雨で住宅432棟に浸水被害があった関市では、ボランティアらによる床下の泥出し作業が続いている。市社会福祉協議会は先月20日に一般ボランティアの公募をいったん打ち切ったが、住民からの要望を受けて今月20日から再開。週末を中心に一般ボランティアも入り、いまだに泥出しが済んでいない住宅で活動している。 津保川沿いにある関市上大野地区では、二十七軒中二十六軒で浸水被害があった。床下浸水した西部伸栄さん宅では十八日、ボランティアら十人が二日目の泥出し作業に訪れた。
ボランティアらは白い防じん服とマスク、ゴーグルを身に着けると、高さ五十センチほどしかない床下に腹ばいで潜り込む。迷路のようになった木材の間をほふく前進で進み、乾いてひびの入った泥をスコップで袋に集めてから地面に消毒剤を吹き付ける作業を半日続けた。最初はパニックになりそうな閉塞(へいそく)感で、体力も消費するという。
恵那市長島町から参加した会社員鈴木彩日さん(27)は「泥出しは初めてであんな狭いスペースに入るのかとためらったが、周りに経験者がいたからできた。空気が薄いし、ほふく前進は首がしんどいです」と話す。
泥を放置しているとカビやほこりが発生して家が劣化し、住民の健康にも害を及ぼす。西部さん方は息子夫婦、孫が同居する三世代世帯で、息子の妻菜月さん(31)は「最初はやらなくていいと思っていたが、今後何十年と住み続けると考えると、子どもの健康が心配になった。こんな多くの人に来てもらってありがたい」と感謝する。
市社協の担当者は「泥出しが終わるめどはまだ立たず、九月いっぱいは必要。相応の経験がある人にお願いしているが、未経験者にも勉強してほしい思いはある。ただしボランティアが大勢来てもマッチングが難しいので、まずは連絡をしてほしい」と呼び掛ける。 (問)関市社会福祉協議会ボランティアセンター=0575(22)0372
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