top of page

3/25 語り部の会・災害ボランティア体験会 詳細報告

「語り部の会・ボランティア体験研修会」報告書

日時:2018年3月25日(日)10:00~16:00

場所:春日井市総合福祉センター 大ホール・小ホール

全参加者:199名

一般参加者:104名(男性45%・女性55% / 市内58%・市外42% / 30代70代が多め)

協力団体:春日井市ボランティアコーディネーター連絡会・レスキューストックヤード

(敬称略) 多文化防災ネットワーク愛知・名古屋(TABONET)・レスキューアシスト

あいちかすがいっこ・アレルギー歩みの会・あんしん堂(防災用品店)

神奈川ボーイスカウトわくわく隊・ふんばろう東日本支援プロジェクト京都支部

チーム昭和・シンガーソングライター禅・カスガイガー・尾張春伏雷  計58名

講演者・家族:7名

愛知人メンバー:30名

<内容>

オープニング:日田市市長・常総市市長よりビデオメッセージ・春日井市社会福祉協議会会長挨拶

午前 「語り部の会」

①TTT(TSUNAGU Teenager Tourguide of HIGAHSIMATUSHIMA)

2011年東日本大震災の被災地宮城県東松島市から高校生2年の高橋さつき氏・武山ひかる氏

地図や映像を用いて、地震発生時の恐怖を感じた体験やその後避難した時の様子を語り、1人が客席におりて、当時の写真を見せて回り説明。その後、被災時に役立つクイズタイムへ。

彼女たちは3年前から高校生による「語り部」の活動を開始しておりこれまでに5回ほど愛知に招き講演活動をしていただいています。災害を止めることはできませんが、被害を減らすことはできます。そのためにも「語り部」というのは大切な役割を担っています。彼女たちは小学生の時に家族・家を失う、津波に巻き込まれたという壮絶な経験をしましたが、3年という月日が経った頃「もう誰も私と同じようなつらい思いをしてほしくない」という気持ちになり、「生き残った私にできる事」として経験を語り始めました。彼女たちも来年は高校卒業の年になりますが今後もぜひ継続をしていってほしいと願っています。

  1. 東松島市あおい地区自治会長小野竹一氏よりビデオレター。2011年から計18回訪れた仮設住宅で自治会長をされていたのが小野氏。私たちの活動記録を丁寧に映像にしていただき、7年間の思い出が走馬灯のようによみがえりました。その「矢本運動公園仮設住宅」の取り壊しが開始。2年前から徐々に移転した復興住宅「あおい地区」は日本一の街づくりを目指していますというお話。毎年GWには里帰りをしていますが、今後も第二の故郷としてお付き合いを継続していけたらと思っています。

★休憩時間には「ナイチンゲール隊」によるストレッチ体操。エコノミー症候群が問題となる避難所でも役立つ足を動かす運動などを紹介

②2015年9月の鬼怒川決壊による水害被災地より常総市の寺岡弥生さん

この講演のために初めてパソコンを購入し、わずか数か月のうちにパワーポイントを使いこなし、たくさんの写真やビデオメッセージを映し出しながら、ろうあ者の方のために字幕もつけて、被災当時から愛知人との出会い、そして現在の復興の様子までを語っていただき「1人の100より100人の1・目指すは100人の100」というメッセージが印象的でした。

被災翌年にはお米(福幸米)が収穫でき、地元住民自身が立ち上り、復興へ強い思いや団結力により毎年復興祭が開催されています。常総市で活動した全国のボランティアも集結して住民とボランティアの交流が深まっており、全てを失った災害から得たものの大きさを改めて感じさせてくれる講演でした。

③2017年7月の九州北部豪雨被災地日田市より大肥本町自治会長石井徹氏

ボランティアというものに初めて出会った住民の皆さん。被災当時「もうだめだ」「何もやる気が起こらない」という絶望の中、泥だらけになって作業する見も知らない全国からのボランティアに心を動かされ「もう一度がんばってみよう」という気持ちになったというお話を頂きました。ボランティアは災害を他人事にしないだけです。身内なら迷わず助けに行きます。その気持ちを被災者の皆さんに向け、一緒に頑張っていきましょう!と呼びかけるのです。

逆に私たちも、宿泊所として公民館をお借りしたり差し入れのご馳走を頂いたり大変お世話になりました。会長さんのご理解、お人柄あってこそ活動を継続できたものと感謝しています。

昼食 (メニュー:豚汁・アルファ化米・じゃがりこのポテトサラダ・クラッカー・水)

  1. 協賛

・豚汁:「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」でお世話になっているマックスバリュエクスプレス勝川駅店様より食材一式

・アルファ化米:春日井市上条町自主防災会(春日井市)様より100食

協力団体エンジェルランプ様より100食

・水:春日井市ボランティアコーディネーター連絡会会長後藤氏を通じて春日井市より400本

★「アレルギー歩みの会」により、豆類(豆腐・味噌)アレルギーの方に対して味噌を使用しない豚汁も提供。

春日井市ボランティアコーディネーター連絡会7名、エンジェルランプさん3名・愛知人メンバー4名により会場設営テーブルセッティングから配膳まで、100名以上の昼食を滞りなく完了。

午後 「ボランティア体験会」

参加者約80名を4つの班に分け、愛知人メンバーがリーダーとなり4つのブースを体験。

①ブルーシート張り体験

屋根の模型を制作し、高所作業時の装備や資機材の説明。熊本地震で約400件の屋根の修復作業の経験から、使用するブルーシートは厚手の3000番台以上でUV加工があるものが良いこと。また法外な価格を請求する悪徳業者に注意しましょうという注意喚起も行いました。

②床下泥出し体験

2畳分の模型を制作し、床下がどうなっているのかを再現。まず畳を外し、バールで床板を剥がす作業。

その後床枠や壁の養生のやり方。(家の中が泥で汚れないよう作業に入る前に、マスカーテープや土嚢袋で養生をすることが大切)そして狭い床下に潜り狭さを体験したり、スコップで泥をかきだし土嚢袋に詰める作業を体験。

③避難所体験

東松島市で50名収容の民間避難所を立ち上げたTTTの鈴木氏と熊本地震で1000名収容の避難所のアドバイザーを務めたレスキューアシスト代表中島氏の実体験を聞き、避難所とは実際どんなところなのか、何をすべきかなどのレクチャーを受け、春日井市役所提供の避難所マップの説明や段ボールでの仕切りづくり、避難所に用意してある毛布や災害時のトイレも体験。

④フリータイム

10団体の協力で各団体の活動展示ブース、防災ゲームブース、音楽、バルーンアート、ポップコーン、防災用品販売、東北物産展などのブースを自由に見学。

休日に来場いただくには子供連れも想定し、子供が飽きないブースも用意。

・レスキューストックヤード: 「要援護者支援」についての活動紹介

・多文化防災ネットワーク愛知名古屋(TABONET) :「外国人支援」についての活動紹介

・あいちかすがいっこ:子供向けゲーム「じしんだー」 ぼく・わたしの防災リュックのおもさはどのくらい? (ネピアブランド化推進プロジェクトからオムツプレゼント)

・アレルギー歩みの会:食物アレルギーに関するパネル展示・アレルギー対応備蓄品の展示

・あんしん堂:防災用品の展示販売

・神奈川ボーイスカウトわくわく隊:ミサンガ作り・ポップコーン

・ふんばろう日本支援プロジェクト京都支部:東北物産展(ふっくらぞうり・のり・おしゃねご等)

・チーム昭和:福祉施設、幼稚園等で演奏活動をしている8名によりエレクトーン演奏。

・シンガーソングライター禅:ストリートライブでボランティアの心を広めるとともに愛知人の活動資金の募金活動をしているシンガーソングライター

・防災減災啓発キャラ尾張春伏雷(オワリハルノフシイカヅチ):防災クイズ

・春日井のローカルヒーローカスガイガー:参加者と共にボランティア体験

・バルーンアート(趣味でバルーンアートをやっている愛知人メンバー)

【まとめ】

事前申し込みが20名ほどしかなく当日まで予測がつかなかったのですが、104名という来場者にひとまず安堵しました。手話サークルに在籍しているメンバーの紹介でろう者15名の参加申し込みを頂き、手話通訳者を依頼。本来資格を持っている方は有償ですが、今回はボランティアでご協力いただきました。

前日からの準備には20名ほどの愛知人メンバーが全国から集結。午後2時から倉庫に集合して2tトラックに積込み作業、その後会場へ向かい17時より搬入、会場セッティング、模型の組み立て等。誰が何をやるなど決めていない中でも、着々と準備は進みました。そして迎えた当日も事前準備が十分といえない中でしたが、スタッフ一人一人がボランティア精神を発揮し自分でやれることを自発的に行動に移し臨機応変な対応で大きな混乱もなく終了しました。

アンケート結果も高評価をいただき、「実際に被災された方の話を聞けて良かった」と、語り部の方の話はとても心に響いたようです。また体験会については、遠方から駆けつけてくれた協力団体さんやスタッフは当日いきなり本番であったため、事前打ち合わせが十分でなかったなど今後の課題はあるものの、参加者の皆様もご満足いただけたかと思います。

初めての一大イベントで、不安もたくさんありましたが参加者の皆さんには真剣に取り組んでいただき、スタッフの説明にも力が入っていました。取材にこられた新聞記者の方が「春日井は防災に対する意識が高いのですね」と感心されていました。

今後も地区の自主防災会、社協、行政とも連携を深め、愛知人の拠点である春日井がモデルケースとなるようこういった取り組みを全国に広げていければと思っています。

「伝えよう・広げよう・届けよう」をコンセプトに「被災地から学ぶ」活動を今後も継続してまいります。

【アンケート集計結果】 ※午前のみ・午後のみの参加者も多かったため、「無回答」多数あり

★2018.4.26の春日井暮らしのニュースに掲載されました

最新記事

すべて表示

中京テレビさんに現地活動の様子を取材して頂きました【2024.3.11 放送】

【能登半島地震でジレンマ浮き彫り】助けがほしいのに…“ボランティア受け入れ拒否” こちら、東日本大震災が29万2400。能登半島地震が7116。実は、この数字、発災からおよそ2か月後までに現地で活動したボランティアの人数なんです。能登半島に支援の手が十分に届かないのは、なぜなのか。さらに、南海トラフ地震で最大6万6000人の死者が想定される“この地方”が備えるべきこととは。 -----------

愛知けん君_吹き出し付.png
bottom of page