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第6回東松島交流会 報告書

  • 執筆者の写真: 愛知人
    愛知人
  • 2015年5月27日
  • 読了時間: 7分

交流会と名を変えて6回目。4年間で計16回目となる活動。 支援から交流へと活動内容も変化し、観光を盛り込み、今回さらに新たな試みとして 鈴木さんが企画した現地の中・高校生による被災地ガイドデビューに立ち会うことが出来ました。 当時小学生だった彼女たちが目の当たりにした辛い思い出ではあっても「伝える」ことの 大切さに気付き、自ら「私やりたい!」と言ってくれた彼女たちに 心からの拍手を送りたいと思います。 NHKが同行取材し、後日ドキュメンタリーを制作するそうです。

今回は男女各6名、計12名。内5名が初参加でした。震災から4年過ぎ、世間では 忘れ去られて行くようなこの時期に、募集の記事を載せた新聞を見て参加してくれたり、 既存メンバーが自分の経験を「伝え」「広め」てくれた結果参加してくれた友人達です。 新たなメンバーが増え心強い思いです。

初日はまず観光。 地元の方々は小学生の遠足で必ず行くという「マリンピア松島水族館」を訪れました。 1階部分が浸水する被害を受けたにもかかわらず1ヵ月後には営業再開し、 観光地としての松島の復活をいち早くアピール。 松島は震災後もすたることなく今も多くの観光客が訪れ、活気に溢れています。

水族館には震災当時の写真展示があり、たくさんの方の協力があり 地元住民の期待に応え再開に至った様子がうかがえました。 しかし施設老朽化のため、今年7月に仙台市郊外のショッピングモールに移転し 新たな出発をするとのことです。

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昼食は仮設住宅の仮店舗から、昨年7月に本来あった野蒜地区へ移転した「えんまん亭」へ。いつもはイベントの最中でゆっくり話もできませんでしたが、今回は広い店舗を私達のために貸し切りにしてくださり、ゆっくりとお話が聞けました。息子さんとお父さんは津波が来た時、別々の車で乗ったまま流され、必死の思いで瓦礫につかまり助かったそうです。お互いもう生きていないだろうなと思ったそうですが、避難所で無事を確認でき奇跡だと思ったと。そんなお話も4年経って初めて語ってくれました。

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そして今回ずっと同行してくれた中学3年のさつきちゃんガイドによる大曲浜視察へ。 小学5年生だった当時両親を亡くし、今はおばあちゃんと二人で公営住宅に住んでいます。 「ここが私の家があった場所」「ここら辺が玄関で・・・」と雑草が生い茂る場所に立ち、涙も見せず一生懸命説明をしてくれました。

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4年が経った今、少しづつ気持ちの整理もでき、前向きに変化しているのかなと思います。

1日目は、2年前に海水浴場が復活し一度訪れたことがある「月浜海岸」の民宿に宿泊。 家族経営の小じんまりした民宿の窓から見る景色はとても穏やかで、あの日突然牙をむき、 多くの命を奪った海を想像することはできませんでした。

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2日目は矢本運動公園仮設での「春祭り」に参加。大のりまきを皆で作った後、五平餅と味噌串カツを提供し、子供向けに「ぬり絵コーナ」も設置。作品は、翌日大曲浜の鯉のぼりの仲間になりました。また東京から、メンバーの友人やモトスメンバーが駆けつけて下さり、木村真紀さんの優しい歌声を聴きながら、賑やかに楽しいひと時を過ごしました。 1年ぶりに再会する住民の方々の笑顔を見て「里帰り」した気分を味わうことが出来ました。

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その後20名で鈴木さんが企画した「現地高校生による被災地ガイド」ツアーへ。 NHK始め多くの報道陣が同行取材し、数社のメディアにも取り上げられました。(下記参照) NHKは後日ドキュメンタリー番組を制作するとのことです。

夜には東京から移住した関口さんとたんぽぽの伊藤社長が駆けつけて下さり、春ママは新作の「おしゃらび」と炊き込みごはんを持ってきて下さり、お地蔵さんの絵描き熊谷さんはお寿司の差入れを持って合流。お酒を飲みながら現地の方からいろんなお話を聞くことが出来、特に初参加のメンバーの心には響いたようです。

3日目は震災当時泥カキをしたお宅(千葉さん・鹿嶋さん)に立寄り、元気な姿に安心。 同行していた関口さんも、震災直後ボランティアで千葉さん宅の修繕をしたことがあると知り、その偶然に驚きました。幸いにも家が残り、在宅被災者となった方々は高齢者が多く、住宅の修繕などにも手がつけられない状況は今も問題となっているようです。

4回目の参加となった「青い鯉のぼりPJ」のイベント会場は去年と風景が変わり、高く盛られた土の壁で海が見えなくなっていました。非居住地区となった大曲浜は、土地をかさ上げして企業誘致をするとのこと。復興にもいろんな方法があるとは思いますが、なんだかさみしい思いをしたのは私だけではないと思います。それでも、青い鯉のぼりたちは浜の風を受け、元気に泳いでいました。 愛知人と@関西から贈った2体を含め、今年届いた青い鯉のぼりたちを参加者で繋ぎ掲げました。

700体になった青い鯉のぼりの下に腰をおろし、日本各地から訪れたボランティア団体はお店を出し、愛知人は五平餅を振舞い、健人さん達の太鼓や青空応援団、木村真紀さんのステージを楽しみました。そして最後の健人さんの挨拶の中で、来年はこの場所でイベントが出来なくなること、そして健人さんも来春大学卒業し青い鯉のぼりPJの活動を辞める可能性もあるとのこと。しかし就職先は東松島市の職員を希望しているそうなので、また違った形でも、是非継続してほしいと願っています。

震災から4年目を迎え、時の流れと共に風景も変わっていき、人の心も変わっていく。

変化と言うより進化と捉え、私達にできる活動で、「伝え」「広げ」「届け」続けていきたいと思います。

最後になりましたが、今回の遠征に際して「東北には行けませんが・・・」とご寄付いただきました W様、S様に心から感謝いたします。

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【高校生ガイドツアーメディア情報より】

<大震災4年>16歳「明日も会えるって当たり前じゃない」   毎日新聞 5月11日(月)12時18分配信

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県東松島市で今月、県立石巻西高校2年の志野ほのかさん(16)が被災体験を伝える「語り部」としてデビューした。 「大切な人に毎日会えることは、当たり前じゃないんです」。震災から4年2カ月、大好きな祖父を失った自宅跡地で、志野さんは他県からボランティアに訪れた人たちを前に力を込めた。 「ここが私の家があった場所です。私が今立っている場所が、おじいさんが最後に立っていた場所でした」 海から約500メートル、芽吹いたばかりの雑草が広がり、土ぼこりが舞う東松島市野蒜(のびる)地区の自宅跡地で4日、志野さんは愛知、東京などから訪れた約20人を前に語った。

震災当時、地元の野蒜小6年だった志野さんは、高校1年(当時)の姉と共働きの両親、祖父五男(いつお)さん(当時65歳)の5人暮らしだった。「ほの、お帰り」。小学校から帰ると、いつも玄関で迎えてくれたのは五男さんだった。 あの日、校門を出たところで揺れに襲われた。教師の呼びかけで学校の体育館に避難。津波は館内に押し寄せたが、2階の観覧席に辛くも逃れた。両親や姉とは翌日再会できたが、五男さんの行方が分からず、2週間後、遺体と対面した。 「近所の人が『逃げるよ』と言ったらしいんですけど、私がまだ帰っていないからと、ずっと通学路を見ていたらしいんです。何回声かけても『ほのを待ってるから』って……」 伝え聞いた祖父の最後の姿を、志野さんは涙ぐみながら一気に話した。

小さい頃から「おじいちゃん子」だったが、高学年になると、言葉できつく当たることもあり、素直に感謝を伝えられなかった。「私のせいでおじいさんは亡くなったかもしれない」と自分を責める思いも残った。

気持ちが変わってきたのは、高校の防災学習で「自分の気持ちにふたをせず発信して」という他の被災者の話を聞いたからだ。失って気づいた大切なことを伝えたい。そう強く思うようになった。

そんな中、同校の撮影を続ける東松島市出身のフリーカメラマン、鈴木貴之さん(42)=札幌市豊平区=が他県のボランティア仲間を被災地に案内すると聞き、「語り部をしたい」と頼み込んだ。鈴木さんは「彼女たちは震災体験をきちんと言葉で伝えられる最後の世代かもしれない。支えたい」と約20人を集めた。

「みなさんに一番伝えたいことがあります。大切な家族に、今日とか明日とか帰って会えるって、当たり前じゃないんですよ。伝えたいことは明日じゃなくて、いま伝えてほしい。この話も、帰ってから周りの人にも伝えてほしいです」

語り終えた志野さんは、参加者に「今が大事って、すごく伝わった」「頑張って」と声をかけられた。 「おじいさんが立った場所で、おじいさんのことを話したかった。聴いてくれる人がいるなら、これからも話したい」と前を向いた。

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