2025/02/13 令和6年石川県能登半島地震及び豪雨災害珠洲市
- 愛知人
- 2月13日
- 読了時間: 5分
2025年2月13日(木曜日)385日
活動人数 5名
活動件数1件、完了件数0件
○社協ニーズ
メンバー 殿村、浩美、保っちゃん、エイミー、レイア
活動場所 飯田町
活動内容 床下泥出し
12月末から床下泥出しのために入ってきた飯田のお宅。昨日も私たちで入らせていただき、不安だった傾いた束柱も固定できたので、今日はさらに泥出しを進めていこう、と意気込んでお伺いしました。ところが、到着して開口部を覗き込むと、ショッキングな光景が目の前に現れました。なんと、昨日一生懸命泥出しをしたところが、大きな水溜りにになっていたのです。
このお宅は、昨年9月の豪雨災害でも家の前の道路が雨水で溢れたり、近所に土砂崩れが発生したエリアであるものの、水害の影響以前に元日の地盤沈下の影響を大きく受けたお宅で、周囲の土地の高さよりも家の基礎部分が下がってしまっていました。そのため、床下では水害によりかさ増しされた泥ではなく、元の地面に束柱が埋もれていたと推測されます。とはいえ、地震の影響で波打つように盛り上がった場所があったり、窪んだ場所があったり。幸い家はまだ住める状態ですが、束柱が土に埋もれているとそこから湿って束柱をダメにしてしまう、束柱を伝ってさらに水気が床を支える根太や大引きに影響したら尚更家がダメになってしまう、ということを防ぐための泥出し及び地面のならしを私たちはしてきたことになります。
しかし、水が溜まってしまうということは、やはり地面が周囲より低いことで周りの水が床下に浸み出してしまっているということ。昨日の泥出しでさらに低くしたため、より顕著にそれが分かりました。それでは床下にさらに湿気が溜まり、床にカビを生やしたりしてしまうリスクが上がります。溜まった水を眺めながら、どうしたら良いかと悩みしばらく意気消沈しかける私たち。ところが今回このお宅には、外壁直しを依頼されお一人で作業されている大工さんがいて、偶然昨日からご一緒でした。ここは大工さんのご意見も伺えたらとお声がけをしてみると、嫌な顔せずに私たちと共にどうしたら良いかを考えてくださいました。話しているうちに大工さんも腹を括ってくださったようで、私たちと大工さんとの、連携プレーが始まりました。
作戦としては、まず昨日固定した束柱全てを気をつけながら取り除き、その土台となる束石を追加して高さをあげ、木製ではなく、湿気に強いプラスチック製のホームセンターなどで購入できる束柱をセットし直すという作戦。並行して、一晩で溜まってしまった水をバキュームで外に出しながら、再び水が染み出す前に昨日泥出しした土嚢から土を戻し、床下の地面の高さを上げて、湿気が上がるのを防ぐため防湿シートを張るというものでした。
殿村さんが束柱や束石のセット、浩美さんが床下のサポートをしながら水出しや地面のならし、エイミーが床下から外組や大工さんとの橋渡し、私がバキュームで吸った水を捨てたり土嚢で床下に水が入ることを助長しそうな場所に土留め、保さんがバキュームもしながら家の周りに溜まる水を水路に誘導できるよう側溝堀り、そして大工さんが必要なものを買いに行ってくださったり、必要なものを欲しいサイズに切って渡してくれたりと、各々が大事なパートを担いながら1日作業しました。
作戦を決めた時は、昨日出した泥出しが無意味だったように思えたり、これまでのリレーが無駄だったのかと思ってしまい、正直みんな、心が折れそうになりました。でも、斜めだった束柱の心配もあり殿村さんがいる時に行こうという段取りだったこと、たまたま前夜に多めの雨が降ったこと、連日同じメンバーで同じ現場に入れたこと、そういった条件が重なったから分かった原因でもあります。もし昨日だけで終わらせていたら、この被害状況を分からないままもっとお家をダメにしてしまったかもしれません。そう思うと、連日対応できたことは本当に良かったと思います。
そして、偶然大工さんがいたことは私たちの救いでした。昨日作業を進めたエリアが一番水溜まりがあり、よくよく見るとすでに束柱が3分の1ほど腐敗してしまっているところもありました。そして、幸い入り始めた頃から作業した手前のお部屋は、地面を低くしたことの影響がそこまでありませんでした。朝の時点では泥出しを進めてきて良かったのかと悩んでしまいましたが、そういった確認をするためにも、各部屋の床下を把握するためにも、ある程度土を取り除かないと分からなかったこと、できなかったことがあるので、これまでの作業も無意味ではなかったねと大工さんも励ましてくださいました。
昨日1日の作業を終えて、まだキッチン側なども同じような対処が必要そうなところはありましたが、この作業はボランティアの域を超えているということで、依頼主のお母さんと大工さんとも相談し、今後の対応を大工さんにバトンタッチすることとなりました。でも、私たちも大工さんがいてくれたおかげで自分たちがした作業の範囲でできる対処ができましたし、大工さんも床下には普段潜らないため状況をお伝えできて良かったです。明日、一旦開けた床板を戻したり片付けをして完了となります。
私たちの様子を見ながら、ずっと「お気の毒に、お気の毒に」と申し訳なさそうに見ていたお母さん。でも、状況をみんなで説明してあげながら一緒に考えて、納得してもらって大工さんに引き継げたので、お母さんもより一層安心してくれたようでした。おやつやコーヒーも欠かさず用意し続けてくれたお母さんなので「明日私は帰っちゃうけどありがとう」と別れ際に声をかけると、お母さんは目に涙を溜めて「本当に年末からお姉さんには気持ちの面でも支えてもらった」と握手&ハグをしてくれました。それまできっと分からないことがたくさんあって不安だったんだなあと改めてその涙を見ながら思いました。私たちも昨日の今日でいろいろな想いが巡った活動となりましたが、お母さんの笑顔に繋がったのは何よりです。「また必ず顔見せに来てね」と言ってくださったので、必ずまた顔見せに来ます。
ここまでに関わってきた全ての愛知人メンバーの皆さんにも「ありがとう」と「おつかれさま」を贈ります。
(報告者 レイア)
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